これまで、認可の新設保育園に2度わが子を入園させたことがあるのですが、初年度の幼児クラススペースって有り余っているよなー、と思っていたら品川区役所のホームページでそれを有効活用した『定期利用保育事業』というのが始まっていることに気付きました。
リンク先『平成30年度品川区定期利用保育事業のご案内』
でも、読めば読むほど色々と疑問が‥‥。今回はこちらについて思うことを書いてみたいと思います。
品川区定期利用保育事業とは?
品川区定期利用保育事業とは、『新規開設保育園などで4歳児から5歳児の受け入れに余裕がある保育園で、入園が不承諾となった1歳児のお子様を保育する事業(※品川区ホームページより引用)』だそうです。
新設保育園では、初年度の幼児スペースのスカスカ感は本当に誰もが知っていると思うので、そのスペースを有効利用するのは良いことだと思うのですが‥‥。
疑問① 職員の確保は…?
国の基準によると、1歳児は『6人に対して1人』の保育士が必要です。利用枠を見ると各園4~10人、なので保育士は1~2人は必要ですよね。一方で、幼児クラスはおおむね30人の児童に保育士1人がいれば良いので…幼児クラスの在園児が0人だったら1人の先生の手が空いているのかな?…でも4歳児も5歳児も0人という施設はほぼないと思うので少ない人数でもクラスに在園児がいればその先生の手は空かないでしょうし…。昨今の保育士不足を考えると、この事業の為に保育士を入れる余裕があるのかなぁ。。。と少し疑問に思います。
それから児童一人当たりへの面積も決まっているはずなので、その子達はその子達で空いている幼児クラスのお部屋に部屋を分けるんでしょうか?…そしたら通常枠で通っている1歳児との交流はなし…?など、モヤモヤ…。
まぁ、この辺りは運営する保育園側の問題なので余計なお世話なんでしょうけれど…笑
疑問② 一度、不承諾になった1歳児しか申込めない
さて、ここからは申込者側の視点から疑問に思ったことです。
まず、申込対象の条件の一つに
保育の必要性の認定を受け、認可保育所等の入園申込みを行い、入園不承諾になっていること
(※品川区ホームページより引用)
というのがあり、この条件だけで対象者は絞られますよね。ただ、4月入園(とは限りませんが)で不承諾になっている1歳児というのは、だいたいは合計指数が40に満たないか、40以上で所得の階層が高かったか…だと思うのです。
そういう、必要にかられて入園を希望していた人たちは、すでに認証や認可外に通っているのでは…? ただ、中にはフルタイム勤務で1歳児不承諾→認証全滅(or申込まず)→育休を延長された方もいるかもしれないので、そういう待機の仕方をしている人には良い制度なのかな?とも一瞬思ったのですが、それを覆すのが次の疑問です。
疑問③ 次年度の入園が約束されるわけではない
最近は時短の2年縛りもなくなりましたし、長く時短が取れる人も増えたでしょう。でも全員が全員ではありませんよね。ですから
※早朝保育や午後6時30分以降の延長保育は実施していません。
(※品川区ホームページより引用)
この条件が付くことで時短勤務や残業無しの人じゃないと厳しい人が多いと思うのです。また、
利用期間の注意事項について
※平成31年4月の認可保育所等への入園をお約束するものではありません。
(※品川区ホームページより引用)
って書いてあるんですよね。‥‥えぇ?育休を切り上げて仕事復帰したのに次年度の入園はお約束できないんですか…?その園じゃなくても何か救済措置はないのでしょうか?
それならば、
とも思ったのですが、4月入園の選考に加点を反映させるには12月1日に仕事復帰をしなくてはいけません。それで4月入園が不承諾になったら…?そんな危険を冒すくらいなら、認可を不承諾になっても2歳児までは確実にその施設に在園できる認証や無認可を選ぶ方が、仕事に支障がなく、賢明なように思ってしまいます。
と、いうワケで育休中の人が利用するのは厳しそう…ならば、短期的にパートや非正規雇用をする人向き?と考えてみたら、今度は次の疑問が湧きます。
疑問④ 利用料が45,000円?
この定期利用枠の利用料は、標準利用(8時間以上)で45,000円、短期利用(8時間未満)で36,000円と一律のようです。これが高いか安いかは家庭によって捉え方が違うと思いますが、普通に利用した場合の保育料の階層でいうと第一子でD15付近、第二子では圏外で45,000円を負担する世帯はありません。
D15と言えば、多くはご夫婦そろってフルタイムだと思うので、世帯年収もそれなりの方でしょう。そうなると、それ以下の世帯収入の方なら収入に対しての保育料の負担が大きめです。
また、派遣で働いたら収入はある程度確保できるとしても、3月末で終わるかもしれない状況で…?仕事を探す?子供が1歳なのに?それも結構ハードルが高いですよね。そこまでして、あえて仕事を探す人ってどれだけいるのでしょう。
さらに、
つまり、非正規の場合育休明け時短勤務の人と同じ6時間働いても、次年度の選考で基本指数だけで40点に届かず、1歳児でフルタイム勤務+認証・認可外に通園中の児童よりも4月入園の選考は劣勢になります。合計指数が並んだ時は、基本指数が高いほうが優先なので、今年の『最下指数一覧表』を見ても、2歳児で確実に入園を目指すなら合計指数で41点以上は欲しいところです。
そう考えると、こちらも2歳児までは確実に居られて、認可保育園の保育料との差額を助成してもらえる認証、認可外を選んだ方が、仕事を続けられるという意味では安心ですし、お財布にも優しそう…。
まとめ
というわけで、第三者的視点では、「いったいどんな人が利用できるの?」と思うほど、対象者が少なそうな制度だなという印象です。とはいっても、この制度を利用した人たちが軒並み次年度の選考で不承諾になったら大問題になりそうなので、「お約束はできない」けれど、実は小規模みたいに優先的な何かがあるんじゃないかな?と思ったりもしているのですが…(※あくまで私個人がそう感じているだけで根拠はありません。) でも、私が気づかない「まさに私のための制度」という方もいるかもしれませんよね。そう感じられた方がいらっしゃったら、ぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか。